1巻

STORY

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桃太郎の役から10年。島は備前国大名・宇喜多直家の弟宇喜多忠家の領地となっていた。武士どもは島南部に総構えの城、城下町の「直宮」を建造し、南蛮人を住まわせて商業の町として栄えていた。

鬼丸、夜死鬼、牙蔵らは文字の読み書きを修得し、直宮に出入り出来る「擬人」の身分を得、人間らと共学の学校へ通っていた。そこでは鬼の恐ろしさ、非道さをたたき込む教育がなされていた。彼らは直宮で人間相手の商売をし現金を稼いでいたため村鬼には蔑む者もいた。独立急進派の鬼助らなどはあからさまな敵意を向けてくる。

そんな中学校の師匠時実(通称麻呂)と夜死鬼が一悶着を起こし、師匠をクビになる。切腹もあり得る時実を救ったのは忠家の娘薺(なずな)姫の助命嘆願であった。

島中央の一角山頂上に位置する一角神社を参拝した鬼丸ら。当代宮司の白鬼魔沙悪魅とその娘で巫女の魔悪と歓談し、踏鞴(たたら)場へと向かう。そこでつくられた私鋳銭を手にして夜死鬼は直宮の賭場で一世一代の大勝負に出るが…?

狩鬼である血亡は​一角山での狩でイノシシを得て村に帰る途中、見知らぬ武士から因縁をつけられ、イノシシを奪われようとしていた。その時鎧をまとった騎馬武者が駆けつけ、武士どもを成敗する。その騎馬武者は鬼が島領主宇喜多忠家その人で、殺された武士は毛利家の手の者であった。

​一方、備前、備中、美作を治める大名宇喜多直家は毛利家と手を切り、播磨国に進出していた織田家と手を組む算段を立てていた。かつては戦で刃を向け合った相手への和睦の使者に名乗りを上げたのは、直家の養子となっていた桃太郎であった。三木城攻めをしていた秀吉の元に小西弥九郎とともに参じる桃太郎。和睦の条件として秀吉が提示したのは、毛利水軍を抑えることであった。桃太郎は画期的な戦法で毛利軍を叩きのめす。

しかし桃太郎の水軍に水主として参加していた鬼がある行動に──。

​それが元で村鬼たちの間にも亀裂が生じ始める。

​東村の共有の畑がイノシシに荒らされ、血亡と鬼丸が見張り小屋に詰めることとなった。すると何故か忠家家臣の高級武士が興味を示し、共に小屋に詰めるという。そのことを訝しがりながらも見張っていると、畑向こうの森に動く影を発見し、鬼丸は飛び出して行く。果たしてそこで見たものは──。

©竹中越前守樫家・Pirika Publishing・Pirika Records